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「えっと、これはどういう状況ですの?」
オドオドとした、聞いてもいいのか不安な様子で、彼女は言った。
「…俺もわかんねえ」
今度は、アキラさんが小声で答える。その頼りない声を聞いて、僕は穴を掘って身を隠したい衝動に駆られた。
あれ、僕いま、アキラさんに告白した…ような気がするけど?!
「…海斗くん?は、その…アキラさんのことがお好きですの?」
もうやめてくれ!と叫ぶ寸前のところで、彼女が聞いた。掘り起こさないで!!
「いや、えっと、その、好きっていうのは、憧れ?みたいな、えっと、だから、その、はい」
結果的に「好き」を認めるような答えかたになってしまった。もう、僕はダメかもしれない。
アキラさんには、変な奴だと思われた、もう、これから顔も合わせてくれないかもしれない。
周りの人たちも、ついでに、襖の外にいる佐々木さんも、僕のことをやばい奴と認識しただろう。
「その好きは、ライク?それとも、ラブ?どちらですの?」
彼女は止まらない。こんなの、公開処刑だ。
全員に見守られながら、なぜか僕がアキラさんに告白するという、謎展開になってしまった。
ライク、ラブ……そんなの、僕が知るわけない。
アキラさんの事は好きだ。でも、それがラブなのかと言われると、頷けない。でも、ライクなんていう軽い好きでもなくて………。
「ライクとラブ、の、真ん中?みたいな?あははは…………」
消えたくなった。
何をしているんだ、僕は。
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