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「それは……素晴らしいですわ!」 彼女が、拍手を一旦止めて、声高らかに言った。 「あなたがアキラさんを想う気持ち、すっごくよく伝わりましたわ。アキラさんと、幸せをかちとるよの。いいわね?」 「えっ?」 僕は聞き返す。聞き間違いでなければ、彼女は、僕を応援している…?ということになるのか? 「…伊織さん、あなた何を言って…」 すかさずアキラさんのお父さんも聞き返すが、すぐに彼女の声にかき消されてしまう。 「澤田さん。この、健気な彼の気持ちがまだわかりませんか?アキラさんを一筋に想い、アキラさんがいれば他になりもいらないという、強い意志。そこに、何もないと本気で思いますの?」 「いや、それは、だから…」 アキラさんのお父さんも、突然人が変わったような彼女の姿に驚きが隠せないのだろう。明らかに動揺した口調で、どうにか言葉を発している。 「愛ですわ。海斗くんは、アキラさんを愛しているの。それ以外に、何か説明が必要かしら?」 愛。 言葉にされると、それはむず痒くて、僕では到底扱いきれないくらいに、大きいものに感じた。 「私は、海斗くんを応援します。こんなに強い愛を、私は未だかつて見たことがありませんもの」 彼女はきっぱりと言い切った。 「私は、アキラさんとは結婚いたしません」
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