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「…ごめんなさい」
アキラさんの背中に手を回して、その大きな背中を必死に抱きしめる。もう、離したくなかった。
「なんで海斗が謝んの」
少し笑って、アキラさんは言った。
「だって僕、いい加減なことばっかり言って、好きとか、そういうこと…だから…」
「俺は、嬉しかったよ」
こういう時、イケメンはやっぱりずるい。
なにも、僕の耳元で囁かなくなっていいじゃないか。さっきより声のトーンを落として、僕にしか聞こえないように、アキラさんは言った。
「海斗、俺のこと好きなんでしょ?…もう一回聞きたい。だめ?」
どうして、そういう可愛いことを言うんだ。
どうして、僕がそれに弱いことを知ってるんだ。
どうして、そんな____。
僕の心臓を破裂させるようなことを、言うんだ。
「お願い」
大好きな人にお願いされて、断る人なんているのだろうか。
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