48

1/1
前へ
/53ページ
次へ

48

「…僕は、アキラさんが好きです」 アキラさんに、顔が見られなくてよかった。 今僕は、とんでもないくらい情けない顔をしてるに決まっている。 そんな顔を、アキラさんに見せたくない。 「……それは、ライク?ラブ?」 彼女みたいな、意地悪な聞き方をする。 でもアキラさんの言い方は、まるで、もう答えが出ているような言い方だった。 アキラさんは、思っていたより僕の心の中をのぞいている。 「…………ラブです」 「ほんと?」 「はい、ほんとうに」 さっきは言えなかった本音。つっかえて、寸前のところではぐらかしてしまった言葉。 どっちかわからないなんて言い訳をしたけど、本当は答えが出ていた。 僕は、アキラさんが好きだ。 ラブの意味で。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加