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アキラさんが、僕の背中から手を離す。そのまま僕の肩を掴んで、離さないように僕の体を押さえた。
僕より背の高いアキラさんを、僕は見上げることしかできない。恥ずかしくて死にそうだったけど、僕はゆっくり顔を上げた。
アキラさんの顔が、見える。
僕とは違って全然顔を赤くしていないし、優しい目でこちらを見ている。
ドキドキして顔を赤くしてるのなんて、僕だけだ。
「うれしい」
しっかり、アキラさんの声が耳に届く。
「海斗に好きだって言ってもらえて、俺は嬉しい」
そう言われて、僕は顔に出るぐらいニヤニヤしたと思う。ハッと気付いて、平常心、平常心、と心の中で唱える。
「じゃあこれからもさ、
そうやって、俺のこと口説いてよ」
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