思い出

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私と先輩はこの後、些細な喧嘩で音信不通となった。 私は先輩と離れても、誰も好きにはなれなかった。 何で素直になれなかったんだろう 何で「好き」って言わなかったんだろう 友達に「いつか思い出になるんだよ」と言われ、「思い出になんかしたくない!」って泣いたのを、今でも覚えている。 月日は流れ、私も中学を卒業する日が来た。 卒業式前に、私に対して意地悪だった女の子に呼び出された。 なんだろう?と思って行くと 「卒業する前に、謝りたい事があって……」 ポツリと言われて、私は首を傾げる。 「長谷川先輩の事、好きだったよね?」 そう聞かれて、ドキリと心臓が高鳴る。 「私、先輩に卒業式の日に告白したの。そうしたら、第二ボタンを上げた子が好きだからって言われて……。遠藤さんが先輩から第二ボタンをもらったと聞いて、ずっと逆恨みしてたの。本当にごめんなさい」 そう言われた。 あぁ……そうだったんだ。 先輩も、私の事が好きだったんだ……。 この時、私の初恋が本当に終わったんだと気が付いた。
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