4人が本棚に入れています
本棚に追加
私と先輩はこの後、些細な喧嘩で音信不通となった。
私は先輩と離れても、誰も好きにはなれなかった。
何で素直になれなかったんだろう
何で「好き」って言わなかったんだろう
友達に「いつか思い出になるんだよ」と言われ、「思い出になんかしたくない!」って泣いたのを、今でも覚えている。
月日は流れ、私も中学を卒業する日が来た。
卒業式前に、私に対して意地悪だった女の子に呼び出された。
なんだろう?と思って行くと
「卒業する前に、謝りたい事があって……」
ポツリと言われて、私は首を傾げる。
「長谷川先輩の事、好きだったよね?」
そう聞かれて、ドキリと心臓が高鳴る。
「私、先輩に卒業式の日に告白したの。そうしたら、第二ボタンを上げた子が好きだからって言われて……。遠藤さんが先輩から第二ボタンをもらったと聞いて、ずっと逆恨みしてたの。本当にごめんなさい」
そう言われた。
あぁ……そうだったんだ。
先輩も、私の事が好きだったんだ……。
この時、私の初恋が本当に終わったんだと気が付いた。
最初のコメントを投稿しよう!