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征司は答えず僕の髪を掴み上げ思い切り突き上げた。
「んんっ……ああっ……!」
まさしく支配者として存在するこの男。
振りむきざま大きな手に口を塞がれて僕は苦悶に顔を歪める。
苦しい。
息ができない。
それ以上に胸が痛い。
しばらく好き勝手僕の中で動き続けると
「それが答えか――?」
口を塞いでおきながら征司が僕に意地悪く問いかけた。
「愛してるから苦しいから自由にさせろって?喋れないなら頷けよ」
頭は真っ白だ。
何も考えられず僕は首を縦に振った。
とにかく今は一刻も早くこの腕から逃げ出したかった。
涙を浮かべた瞳を向ける。
しかしそんな甘い話があるか?
今までに1度だってあったかい?
征司は僕の耳元で吐き捨てるように言った。
「させるかよ」
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