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鳥が起きた。
お弁当を作る手をとめてキッチンにある湯沸かし器に水を入れて、お湯を沸かす。
コップに、スプーンですくったコーヒーの粉を2杯と砂糖を1杯。お湯が湧くまでの間に、トースターに食パンを入れる。
お湯を3分の2くらいまで淹れたら、冷蔵庫から取り出した牛乳を入れる。鳥がが好きなカフェオレを、朝淹れてあげるところからもぐらの1日は始まる。
トーストにバターを塗っておくけれど、だいたい時間がないので鳥が移動しながら食べれるようにラップしておく。
鳥が出発する時間は日によって違うが、だいたい予告なく急に飛び出すので、モグラは自分が起きた時間からお弁当を作り始める。
「あと1分で出る!」
パジャマを着たままの鳥が言った。いつも予告なくタイムカウントが始まる。
モグラは急いでお弁当の蓋をしめて、水筒と一緒にして渡す。
今日は時間が無かったので、朝ごはんのパンにカフェオレ着替えの服まで持って行くことにしたらしい。
バタン!
なんとか今日も間に合った。
昔はこんな鳥のペースが理解出来ずに、朝からよく喧嘩していたけれどだんだんと鳥の習性がつかめてきた。
扉が閉まってからがもぐらの1日が始まる。モグラは家で仕事をしながら、子育てや家事をしている。
今日もやることが山のよう。
もぐらが鳥と夫婦になってから3年が経った。
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