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声劇の台本4作目、書いてみました。
改変自由・商用等でも使用可、連絡ナシで大丈夫ですが、教えて下さるとモチベが上がります。ご意見ご要望ご質問大歓迎です。
作者
下山古国府(にざやまふるこ)
作者連絡先(ツイッターです。)
https://mobile.twitter.com/6Tvi4MGBQoGeoKo
題名
劣等優等生
あらすじ
異世界転移した傲岸不遜な優等生が、同じく異世界転移した素直で優しい劣等生にギャフンと言わされる、異世界コメディ学園ものです。
読み上げ目安時間
約15分
セリフ総数、67。
役表
男1 女1 不問1
襟糸 賢子 (えりいと かしこ)
女
学校一の優等生だったものの、突如周囲が異世界化し、変化について行けず、劣等生へと転落する。
頑固で頭が固い為、急な状況変化に極度に弱い。プライドが高く、周囲を見下していた。せっかちで怒りっぽい。
セリフ頭の表記、賢。
セリフ数、33。
馬鹿田 阿呆也(ばかだ あほや)
男
学校一の劣等生だったものの、突如周囲が異世界化し、変化に柔軟に対応し、優等生へと躍り出る。
素直で頭が柔らかい為、どんな状況にもすぐ適応できる。誰にでも分け隔てなく優しく、のんびり屋で温厚。
セリフ頭の表記、阿。
セリフ数、11。
教師
不問
※教師をはじめ、ほかの生徒たちは、変化した世界を当たり前のものとして受け止め、淡々と授業を進めます。
セリフ頭の表記、教。
セリフ数、23。
()は読みやすくするための状況説明です。読み飛ばして下さい。
以下セリフ。
賢 私の名前は、襟糸賢子。誰もが認める秀才で、将来を嘱望されている。
国語数学理科社会なんでもござれだ。
国語の漢文は中国語でスラスラ読み上げ、作る漢詩をみれば、李白だって顔面蒼白。
数学は教師に教え、アルキメデスだって目じゃないです。
理科は、核爆弾とか作るの余裕、バトルしたらアインシュタインだって病院送り。
社会の用語は、全て暗記済み、稗田阿礼も、ヒエーだのアレーだの言って逃げ出すだろう。
私にかなう人間なんかこの世にいない。この世界は近々私だけのものになる。そういってはばからない、自信と実力を兼ね備えているつもりだ。
どんな難問だって私とっては、身に降りかかる火の粉ですらない。さぁ、今日も立ちふさがる問題を華麗に解決して見せよう。
(人物名で韻を踏む様にお読み下さい。)
阿 ぼくの名前は、馬鹿田阿呆也。どうやら、ぼくはおバカらしい。
ひらがなってむずかしいよね。
数字は、1+1の答えくらいならなんとかわかる。たぶん3だ。
こないだ、理科の授業でカエルの解剖やったんだけど、カエルと友達になっちゃったから、解剖は止めにしてもらった。
社会もトンチンカンだけどみんな笑って過ごせれば、それでいいんじゃないかな。
父さん母さんも言ってた、馬鹿でも阿呆で構わないからとにかくいつでも笑って過ごせ、って、こないだ車にひかれた時も、ずっと笑ってたら、「きみ、いろんな意味で大丈夫?!」って言われたけど、ぼくは大丈夫だよ。
勉強は、とても難しいけど、知らないことだらけで楽しいから、大好きだよ。さぁ、今日は、どんなことが起こるのかなあ。楽しみだなぁ。
(間)
賢 、、、、、、なんだろう。今日の学校は何かがおかしい。強い違和感を感じる。周りを見渡すと、いつものメンバー、いつもの校舎。何ら変わったところはない、でも、何かヘンだ。いつものように、チャイムがなり。いつものように先生が来て、、、、、、違和感の正体はなんだろう。
一時間目は、国語だ。みんなが、教科書を取り出した時、私は違和感の正体に気づいた。
なに、、、、、、この文字。読めない!1歳ですべての外国語をマスターした私に、読めない文字があるなんて、ありえない!
教 えー、では、イワン語の勉強を始めます。イワン語は我らが、イワンの国の主要言語であり、首都をはじめ大概の町で通じるからよく覚えておくよーに。
賢 イワン語?イワンの国?!どういう事、ここは日本じゃないの?どうして、みんな平然と授業を受けてるの???
教 はい、では教科書をひらいて。
賢 とにかく、教科書を開こう。え、、、、、、ページ数が、書いてない?!この教科書使いづらっ!なんでみんなサッと開けるのよ~!、、、、、、えっと、1、2、、、、、、、。
教 襟糸ー?珍しいなー、お前がもたつくなんて。大丈夫かー?
賢 だ、大丈夫です!(小声で→)ヤバいヤバいヤバい~。
教 よし、大丈夫なら、早速音読してもらおうか、みんな襟糸の手本をよく聞いとけよ~。
賢 ゲッ!どうしようどうしよう。とりあえず有名な古典とか読み上げてごまかそう!コホン。、、、、、、祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり?
教 なんだそりゃ?初めて聞く物語だな?
賢 え、え~っ!平家物語じゃないですか、1000年前の有名な日本の古典ですよ?
教 にほん?どこだ、そりゃ?、、、、、、センネンマエ、ってなんだ?わかるやつ、いるか?、、、、、、すまんな、このクラスのやつは、先生含め誰もわからんみたいだ。ん、馬鹿田、どうした~?
阿 ぼく、日本知ってますよ~。サムライがいてフジサンがあります。
教 おお!馬鹿田が襟糸と渡り合うなんて珍しいな!
賢 (小声で→)いや、知識外国人レベルじゃん。こいつとは、一緒にされたくない。
教 襟糸ー、なんか言ったかー?
賢 いっ、いえ、なにも!(小声で→)どうやら、馬鹿田と私以外は、完全に異世界に染まってるみたいね、、、、、、。
教 まあいい。今日は、我らがイワンの国で最も有名な文学「英雄の話」を読んでもらおう。襟糸、読めるよな?
賢 !、、、、、、読めません。
教 どうした?襟糸。珍しいな。じゃあ、馬鹿田。読んでくれ。
賢 悔しい悔しい悔しい~!まあ、馬鹿田もきっと間違うはず。私のミスをはるかに上回る珍回答でクラス中の笑いものになりなさい。そして、私の些細なミスは無かったことに、、、、、、。
阿 えっと、、、、、、花が咲いた花が咲いた、わっはっは~、とかですか。
賢 ぷっ!国を代表する文学がそんなカンタンなわけ、、、、、、
教 馬鹿田。正解!えー、このように、「英雄の話」は、春の訪れを祝う場面から始まる。
賢 、、、、、、ウソでしょ?!この国、レベル低くない?!
教 おい!襟糸ー!不敬罪で捕まるぞー!
賢 怖っ!すみませんでした。危ない危ない、ここは異世界なんだから不用意な発言は控えないと、、、、、、。
(間)
賢 二時間目は、数学ね。さっきの不名誉を挽回するチャンスだわ!普段から私が先生に教えてるんだから、きっと大丈夫なはず、、、、、、。
教 えーと、次は算数、だな。すまん、襟糸~。先生分からんから、代わりにみんなに教えてやってくれ!
賢 チャンス来たーッ!、、、、、、コホン。皆さんのレベルだと、せいぜい素因数分解くらいが関の山かしらね~。分数くらいなら、さすがの皆さんでも、余裕で分かりますわよね?
教 、、、、、、襟糸~?なんかナゾな言葉が大量に出て来て先生訳わからんぞ、外国語か?それ?
賢 分数が分からない?先生マジでおっしゃってます?!、、、、、、さすがに、「数字」が何かは、先生なら分かりますよね?
教 、、、、、、分からんなぁ~?
賢 それじゃあ教えようがないじゃない!誰か!誰か数字が分かる人、いないの?!
阿 ぼく、分かります~。1+1は、たぶん、3で~す!
教 おおっ?馬鹿田、数字が分かるのか?!先生より賢いじゃないか!
賢 (小声で→)イヤイヤイヤイヤ!答え間違ってるし!そっか、この国には数字が存在しないから、教科書にもページ番号がないのね!でも、間違いを訂正したところで、分かる人がいないなら、意味がないわ、ここはガマンよ、、、、、、。
(間)
賢 三時間目は、理科ね。こないだ馬鹿田のせいで中止になった、カエルの解剖をするはずだわ。私の華麗なメスさばきを、とくとご覧あそばせ!
教 次は理科だったな~。じゃあ、早速カエル……
賢 (教師をさえぎるように)はい、はいはーい!解剖ですわね!私にかかれば、醜いぶよぶよなカエルなんか、一瞬でかっさばいて、剥製にしてさしあげますわ!
教 バカモン!命を粗末にするんじゃない!カエルは友達だろ!殺人罪で捕まるぞ!
賢 、、、、、、バカって言われた、、、、、、この私がバカ呼ばわりされるなんて!殺人罪って、そもそもカエルは人じゃないでしょ!
教 おい、襟糸!差別的発言だぞ!命はみんな等しいんだ!今日のお前は、どうしたんだ?まるで不良だぞ?!その点、馬鹿田をみてみろ!カエルとたわむれて、一緒に跳ね回ってるじゃないか。これぞ真の平和!人間のあるべき姿だな!
阿 ピョンピョンぴょ~ん!カエルとジャンプ、わ~い楽し~い!
賢 (小声で→)どこが「人間のあるべき姿」よ、半ばカエル化してるじゃない!
(間)
賢 四時間目は、社会ね。私の暗記力が、おバカさんたちにかなうはずないわ!今こそ雪辱を晴らす時よ!
教 えーっと、続いて歴史の授業なんだけど、昨日の晩飯何だったか覚えてる奴、いるか~?
賢 ボケ老人じゃあるまいし、余裕ですわよ!
教 コラ!襟糸!年長者を敬え!いいかげんにしないと退学処分だぞ!
賢 なんで、私がそんな劣等生みたいな目に遭わなきゃいけないんですか?!
教 襟糸~、今日のお前の言動はもはや優等生のものじゃない。ハッキリ言って、お前は、クラス1、いや、学校1、世界1の劣等生だな!
賢 う、うわあああああん!
阿 先生~、ちょっと言い過ぎですよ~。襟糸さんが泣いちゃいましたよ~!襟糸さんは、がんばりやさんです。とてもいい人ですよ~。
賢 う、ありがとう、、、、、、。
阿 さあ、笑って笑って~。馬鹿でも阿呆でも構わないからとにかくいつでも笑って過ごすのが、大事なんだよ~。
教 凄いぞ!馬鹿田!この国で一番大切な真理にとうとうたどり着いたな!次のこの国の王様には、お前が一番ふさわしい!先生、王様辞めて、お前に謙るわ。
賢 え?!ちょっと待って?!先生がこの国の王様だったの?!
教 お前、そんな事すら知らなかったのか?!この国の最低限の一般常識だぞ?まあ、今からは、馬鹿田が王様だけどな~。王様万歳!
賢 悔しいけれど、この世界で私を認めてくれたのは、馬鹿田君、アナタだけだわ。あなたこそ、真の王者にふさわしいわ、王様万歳!
阿 ぼく!王様、辞めます!
賢 え?、、、、、、、え~!?なんで、なんでなの、馬鹿田君!あなたは、全てを手に入れたのよ!なんでみすみす手放すような真似をするの?私には分からない。お願い、どうか私に教えてちょうだい。
阿 ぼく、えらくなんかなりたくない!一番大事な事は、みんなで笑うこと。みんなと仲良く幸せに暮らせれば、ぼくは、何もいらない!王様になんか、なりたくない!
賢 ああ、ああ、あなたこそ世界1の天才!いや、世界1のバカだわ!私もバカになりたい。
阿 うれしいなぁ~。みんな、今、笑顔だよ。ねぇねぇ、みんなで記念写真撮ろうよ~!
賢 いいわよ!撮影の合図は、私に任せて!1+1は~?
阿 3!
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