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プロローグ
眩しかった、そこは。
わたしが初めて目を覚ますと強い光の中、とてもうるさい音で目が覚めた。
ただ、わたしはあまり目が良くないようだ。でも、鼻は効く。だからそこら中にある匂いが多すぎてわたしは毎日恐怖した。
ここはどこなんだろう。わたしのおかあさんはおとうさんはどこなの?
怖かった、寂しかった。
毎日、感じる大きな目の視線。本当に怖かった。
少し経った時なのだろうか、その場所がガチャンと開けられた。大きな手?のようなものにわたしは持ち上げられ、違う匂いの元に渡された。
「小さい…この子、凄い本当に可愛いな」
意味のわからない太い声が聞こえる。その声の主はわたしを優しく撫でててくれて、少し気持ちよかった。
「決めました。この子をお迎えします」
わたしはまた先程の手につかまれ、巨大な顔?が近づき「良かったね、幸せになるのよ」と言われ暖かく静かで暗い所に入れられた。
「では、よろしくお願いいたします。何かあればフェレットを診てくれる病院も紹介しますので、気軽にお電話を」
「はい、よろしくお願いいたします」
そんな二つの言葉が交わり、わたしはうるさく眩しい場所から離れた。
ぐらぐら揺れる場所でこう聞こえた。
「幸せになろうな!」
そう言われ、なぜかわたしは安心してしまいそのまま眠りについた。
何やら新しい世界が始まりそうだとなんとなく思った。
わたしのぼうけんのはじまりである。
そんな気がした。
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