第三話 わたしはすぐにお腹が減る

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第三話 わたしはすぐにお腹が減る

新しい場所、新しい住処、巨人との暮らし、わたしだけの生活。 ずいぶん、わたしはここでの環境に馴染んできた。 といってもほとんど寝ている気がするけども、それでも随分馴染んできたと思う。 ただ、わたしはわたしの身体で一つ巨人と違う部分があり、お腹が減る時間が早いのだ。 ご飯を食べてお腹いっぱいになって眠って起きてトイレへ行くともうお腹が減っている。わたしはそれを不思議に思わないが、巨人はわたしよりも見上げてみると食べてる間隔が長い。 わたしよりも全然長いのだ。だから巨人はごはんの匂いのする袋をせかせかとマメにわたしのご飯入れに入れている。 巨人は「小腸短いと消化が早いから、ヒメは直ぐにお腹へってるんだよなあ、なんでそんな設計にしたのかね、カミサマは」 よく巨人はごはんを入れるときそう呟く。 意味は分からないけど、なんとなく目を見ると感覚的に分かる。 わたしはそういう生き物なんだと。 でもね、巨人。 わたしはたくさん食べる機会が多いからとても幸せだよ。
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