第02章② : 尾行 - エマ

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 でさ、記念日の次の次の日だったかなぁ? 会社帰りに、カレシを尾行してやったの。ゴールデンウイーク明けで仕事もバタバタしてて、残業だったのね。ほら? アタシとカレシは同じチームだけど、カレシの方がアタシより帰りが遅かった日があって、これは絶好のチャンス! って会社の出口が見える所で張ってた訳よ。  仕事を終えたカレシは、自分の部屋の方角に歩いて行ったの。とりあえずは安心したけどさ……。そこで帰れば良かったんだけど、少し距離を取って尾行しちゃったのアタシ。  でね、結論から言うとね。カレシは真っ直ぐ部屋に帰って行ったの。  なんかさ、尾行したり、勝手にカレシの部屋に入って冷蔵庫覗いたり。アタシも十分に病的だよねアハハ……。そんな自分が嫌にもなった。  でもさ、心配だったんだもん……。それに、その日はたまたま真っ直ぐ帰っただけでさ、絶対に他に女は居るって。 そう思わない? ねぇ、また? ちゃんと聞いてるのぉ? 相談してるんだから、ちゃんと聞いててよねっ!!  だってさ、冷蔵庫に証拠があった訳だし。でもやっぱエビフライは総菜なのかな? スーパーで買ったエビフライを、可愛いタッパに入れただけなの? いやいや、その可愛い入れ物が確固たる証拠じゃんかねっ……。クっソ程にセンス悪い柄だったわ。ダサっ。  カレシの話してたら、また会いたくなってきちゃった。今から行ったら迷惑かな? まぁ良いや! 勝手に合鍵で侵入してベッドに潜り込んじゃおう!  話し聞いてくれてありがと! じゃーね! また連絡するね!
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