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そして、もう1つの準備。
それは、もっと彼が望む様な彼女になる事。
実際は、そっちの準備の方が全く出来ていない。
前回の日記に書き忘れてしまったけど、私は絶対に彼が望む彼女になってあげる。そもそも、今までもそうだった。彼が好きな髪の長さにして、彼がユニクロが好きだから私も全身ユニクロ。下着なんて楽過ぎて笑えちゃう程に、良い仕事をしてくれている。
そして、彼が好きなご飯を作って、彼が好きな飲み物を準備して。彼が好きな音楽を聴いて、彼が好きな色を好きになって。
彼の口癖を真似て、彼と同じ歩幅で歩いて、彼と同じスマホを持って、彼と同じ数のピアスを開けて。
私は彼に、彼の色に染まっていくの。
でも、きっとまだ足りないんだと思う……。
だから彼は私じゃない、他の女に目が行ってしまったんだと思う。
彼の責任じゃないの。きっと私の責任。
私が足りないから……。
ごめんね。
ごめんなさい。
ねぇ?
私に何が足りないの?
教えてよ……。
本当は、残業のせいでもないし、彼に気まずくて会えないんじゃないの。
ただ怖いの。
毎日、毎日。夜になるのが怖いの。初めて見た、いつもと雰囲気が違う彼に触れられたこの部屋に1人で居る事が怖いの。
でも、彼に会う勇気すらもないの。
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