第02章② : 尾行 - エマ

1/2

21人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

第02章② : 尾行 - エマ

 もしもし? アタシだけど今話せる? えっ? アタシだって言ってるじゃんか? エマっ! エマよ! スマホの画面に名前出るでしょ?  ってかさ、毎回この件いるかな? そろそろエマだって解れっつーのっ!!  それで本題なんだけどね。とりあえず順を追って話さないとだよね。この前の記念日の夜に、結局アタシはカレシの部屋まで行ってしまった訳。こっそり合鍵で入ったんだけど、カレシは部屋で寝てた。在籍確認オッケー! って喜んでみたんだけど、一応さ……。念の為に冷蔵庫チェックをしてみたの。  やっぱあったんですけどーぉ!! エビフライがあったんですけどーぉ!!    しかも、間違いなくスーパーの総菜とかじゃないんだって。手作り感が満載なやつ! ほら? 良く見るじゃない? SNSとかに料理作ってアップしてる様なアレ! あんな感じ。  前から思ってたんだけど、あーゆー女ってさ。男が喜んで食べてるって本気で思ってるのかな? だってさ、本当においしい物とか、好きな食べ物って外に食べに行くでしょ? 家に帰ってさ、毎日の様に【料理自慢大会】みたいにテーブルに出されたらドン引きするでしょうよ男は……。  それだけ料理に自身がある女が出してきた料理に、仮にもケチなんて付けたら戦だね。あーゆー女って、上手に料理出来る自分に酔ってんでしょ? そんな病的な女にケチ付けちゃぁ、もう合戦っすよ。もしくは腹切り切腹させられるって。そう思わない? ねぇ? ちゃんと聞いてんの? 聞いてるなら良いけどさっ。  手作り料理のフルコースっていう名の拷問だよアレは……。でさ、まさかアタシのカレシがさ。そんなクっソみたいな女に引っかかると思わなかった訳っ! それがショックなのよ。まぁ、まだ想像の段階だけどさっ。  でもきっと、カレシはフルコースの拷問受けて、ご丁寧に残り物の【お土産】も持たされてさ、それを大事に冷蔵庫で保存って。やっぱ、カレシもカレシだな。だんだん腹立ってきた……。情けないって……。腹立つけど悲しいって、アタシの感情がワチャワチャするっつーの!
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加