虹の扉の向こう側

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 1年半前に地元に帰ってきた俺は、中高生の為の学習塾のアルバイトをしながら自分がやりたかったプログラミングの資格の取得や、諦めかけていた英語学習の意欲に再燃していた。 ウェブページでオーストラリア・ワーキングホリデーの事を調べて、海外に行ってみるのもいいかもしれないなんて思いながら、まだこれといった理由もないしな。等と色々考えてすごしていた。 オーストラリアなら35歳まで行けるのか…。もし、30歳までにこれといってやりたい事が見つけられなかったらな…。などと26歳の俺はそれほど真剣に思っているわけでもなかった。 たまたま、いつもと違う道を歩いているときにここのレストランを見つけた。学習塾のバイトの帰りでお腹が空いていたのでランチタイムにフラリと立ち寄った。  その店内の雰囲気と料理の鮮やかな見栄え、そしてそのおいしさに魅了されその場でアルバイトを募集していないか聞いた。店長が奥から出てきて「ちょうど大学生の子が就職で辞めるから、こっちも好都合だよ。来週一回働いてみる?」と言われてそのまま働くことになった。  俺はバーやドリンクをメインにという事で雇われた。  「リュウは若くて好青年やけん、バーにいてくれたらお店に華がでるわ!外国のお客様もたまに来るけん、英語の学習にもなるしよかやろ?」と言われた。俺は料理を習ってみたい気もしたけどカクテル作りやワインの銘柄を覚えたり、コーヒーの勉強、英語の練習も出来て悪くないなと思った。そんなわけで、さっそく翌週からレストランでアルバイトを始めた。夜の勤務だけで昼間は学習塾のアルバイトを週に2~3回している。
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