虹の扉の向こう側

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 佐世保市には米軍の基地があって、駐在している海軍たちが多くいた。店長の言う通り彼らはたまにお客さんとしてやってきた。俺は語学勉強に興味はあったものの、全く英語が喋れなかった。英語を使って会話なんてしたことが無かった。東京でたまに観光客に道を聞かれて道案内をしたことがあるぐらいだ。  店長はイタリアに10年以上住んでいたからイタリア語は流暢らしかったが、英語はカタコトだと言っていた。ただ、彼は良く英語で海外のお客さんと喋っていた。俺の耳にも彼の英語が完璧じゃない事は分かったけど、会話はなりたっているように見えたし、お客さん達も何のためらいもなくネイティブの英語でしゃべりかけており、それをキャッチするだけの理解力は店長にあるんだ。と思っていた。 海外で暮らすなら彼の様な性格は物凄く助けになるだろうな。と横で見ていてよく思った。
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