虹の扉の向こう側

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店長は、エミを呼んで「この方、今日から働いて下さる“ちか子さん”。」と紹介した。 その女性はエミにもぺこりとお辞儀をして「よろしくお願いします。」と言っていた。 エミは急に余所行きの声で「こちらこそ、よろしくお願いします。」と言っていた。 店長が、地下の更衣室に案内するように指示して二人はキッチンの入り口があるこちら側へ向かって歩いてきた。 二人は何やら会話しているようだったが、俺の側を通り過ぎる時その女性は足を止めて俺の方に向かって挨拶をした。  「初めまして、今日からお世話になります。花村 ちか子といいます。」と言った。 俺は少し緊張してしまい「あ、どうも、リュウです。」とだけ答えた。少しぶっきらぼうだったかな?とふと思ったが彼女は「リュウ君?よろしくお願いします」と明るく答えた。 俺はすぐ彼女の言葉に関西弁のイントネーションがあることに気付いた。  二人は俺の側を通り過ぎて、下の更衣室に降りて行った。
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