第二話 無限列車編

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  「だが、オレが鍛えてやろう!竈門少年、オレの継子になるといい!面倒を見てやろう!」    炭治郎は内心で 「面倒見が良い人なんだなぁ」 と呟く。 ともあれ、杏寿郎は俺の方を向く。   「そういえば、星龍と栗花落は継子を取ったそうじゃないか!どんな人物なんだ?」    炭治郎、善逸は 「誠さんと奏多さんの継子、凄く気になる」 と内心で呟く。 誠は彼女らを思い浮かべながら、口を開く。   「俺の方も奏多の方も、基本は無口ですが、実力は確かです」   「ふむ。では、呼吸は花の呼吸か?」   「そうですね、奏多の継子は花と桜です。俺の継子は観音の呼吸です。ただ、何の呼吸の派生なのか、彼女自身も分かってないみたいです。それと奏多の継子は、奏多の剣技はほぼ模倣できてますよ」 「そうか!星龍の継子は2文字なのだな!」 と呟くと、炭治郎たち (伊之助は除く) は目を丸くする。 剣技をほぼ模倣が出来ると言うことは、既に実力剣技が柱に近いということでもあるからだ。   「紋逸!オレ外に出て走るから!どっちが速いか競争する!」   「いや、危険だって!馬鹿にも程があるだろ!」   炭治郎、杏寿郎、誠が横の席を見る。 そして、善逸が伊之助の頭を叩くも、伊之助には効果がない。   「危険だぞ!いつ鬼が出て来るかわからないんだ!」    杏寿郎がそう言ったら、善逸が 「――え?」 と呟き、顔を青くした。 伊之助も先程の興奮を抑え、善逸と同じく杏寿郎を見る。   「……嘘でしょ、鬼が出るんですかこの機関車!?」   「出る!」   「出んのかい!嫌ァ――ッ!鬼の所に移動してるんじゃなくて、ここに出るの嫌ァ――ッ!オレ、降りる!」   「短期間の内に、この汽車で四十人以上の人が行方不明になっている!数名の鬼殺隊員を送り込んだが、全員消息を絶った!だから、柱であるオレと星龍が来た!」   「はァ――ッ!なるほどね!降ります!」    善逸は、恐怖から涙を流し 「柱が二人も派遣とか、絶対十二鬼月案件だよね――ッ!」 と、内心でも叫び散らす。 そこへふらりと車掌の男が現れ、俺と杏寿郎は己の切符を差し出した。   「切符……拝見……致します」   炭治郎は見慣れない光景に首を傾げた。   「何ですか?」   「車掌さんが、切符を確認して切り込みを入れてくれるんだ」   俺の説明に、炭治郎は楓たちに習うように切符を差し出した所で、匂いで何かを察する。 切符からは、何だか嫌な匂いがしたのだ。 だが、切符は切り込みが入れられる。 善逸と伊之助も同じように入れられた所で、この車両での切符の確認作業は終了した。   「……拝見しました」   車掌の言葉を聞く者は居ない。 ――そう、車両に居た全ての人間が眠りに就いてしまったのだから。 車掌はそれを確認してから、次の車両へ移動して行った。
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