第二話 無限列車編

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「誠さんんんんっ!煉獄さんんんんっ!死んだらダメええぇぇええっ!」 「死ぬなよっ!龍羽織りっ!目ん玉ギョロギョロっ!」 と叫び声が上がる。 善逸が炭治郎を背負い、伊之助が禰豆子の入った箱の紐を両肩から下げながら、楓たちの方へ走り寄る。   「良かった、善逸たちも無事か」   「黄色い少年、猪頭少年、竈門少年、よくやった。君たちのお陰で、オレたちが心置きなく戦えたんだからな」   善逸は顔を青くし 「そ、そんな重傷でも普通に喋れるって、柱って怖ッ!普通、喋るのは辛いはずだよっ!」 と、小言を呟いていた。 杏寿郎は、善逸の背に乗っている炭治郎を見た。   「――竈門少年。オレは君の妹を信じる、鬼殺隊の一員として認める。オレは、汽車の中であの少女が血を流しながら人間を守るのを見た。命をかけて鬼と戦い人を守る者は、誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ。誰にも否定させない。」   炭治郎は嬉しかった。 認めてもらえたことが、本当に嬉しかった。 禰豆子の頸を斬ろうとしていた筈の杏寿郎は、しっかりと炭治郎たちの行動を見てくれたのだ。 「……あ、ありがとうございます」   炭治郎はそう呟き、両瞳から涙を流す。 その時、遠くから黒い服に身を包んだ集団がこちらに走り寄る。 隠の人々だ。 彼らの頭上には二羽の鴉が飛んでいた。 誠と杏寿郎の鴉だ。 鴉たちは産屋敷邸に飛び、報告を上げていたらしい。お陰で、乗客の人々も怪我の治療が受けられるはずだ。   「隠の者たちが来てくれたようだ。我らも治療の為蝶屋敷に向かおう!」   杏寿郎がそう呟く。 ともあれ、隠の人々は俺を背に乗せ運び、杏寿郎には肩を貸し、善逸は炭治郎を背負い、伊之助が禰豆子が入った箱の紐を両肩に掛け直し、歩みを始めたのだった。
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