第一話 転生と柱合裁判

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産屋敷邸に着いた俺と奏多。 どうやら俺達は新入りの柱という事で、今日は柱の先輩達との顔合わせの様だ。 お館様は1/Fの揺らぎで発声し、聞く者に安らぎを与えるってのは本当だったんだな。 しかし、 「お館様、俺はコイツらが柱に相応しいのかこの目で確認したいです。おい龍羽織!お前の力を見せてみろ…!」 と、風柱の不死川実弥がそう言ってきた。 コイツ、お館様好きだからなぁ本当に。 まあいい。 「では行くぞ…。龍の呼吸…壱の型…。」 「面白え…!風の呼吸 壱ノ型…!」 龍の舞! 塵旋風・削ぎ! 実弥の塵旋風・削ぎを龍の舞で避けていく。 「回避は中々上手い様だが、肝心の攻撃面はどうなんだよ!?風の呼吸参の型!」 晴嵐風樹! 「それは身を持って知ってくださいよ…!龍の呼吸、伍の型!」 流星群! 誠は流星群を放つ龍の如く、高速で九連撃を放つが、実弥は自身を取り囲むような風の剣技で、流星群の斬撃を弾き落とす。 さらに実弥は踏み込んで斬りあげるが、それに反応した誠は咄嗟に刀を衝突させて威力を相殺した。 「いい反応だァ!風の呼吸、捌の型!」 「どうも。龍の呼吸、弍の型!」 初烈風斬り! 竜巻! そして、 (――不死川さん、守り硬すぎだろ。俺の剣技が通る気がしないんだが)   (――確かに、星龍は“柱”に匹敵する力量を持ってるなァ。しかもこいつ、まだ何か隠してやがるなァ) お互いが心中を呟く。 そして俺と実弥が距離を取り、俺は納刀し、柄に右掌を添え実弥を見据え、実弥も刀を構える。    ――龍の呼吸 壱ノ型 龍の「やめろ!」    ――風の呼吸 壱ノ型 塵旋「そこまでだ!」   誠の前に抜剣した栗花落奏多が、実弥の前には抜剣した煉獄杏寿郎が割って入った。 「おいこら煉獄…止めんじゃねェ」   「……奏多、何故止める?」   不機嫌、という表情で義勇と杏寿郎を見る、俺。 どうやら不死川さんも同じようだ。   「止める!不死川、周りを見回して見ろっ!」   「……誠、ここが何処だか忘れてないか?」   杏寿郎と奏多の言葉で、俺と不死川さんは周り見渡す。 すると一部の庭は更地に変えられ、その周りの木々は吹き飛び、耀哉を守るように抜剣している柱たち。 だが、耀哉はにこにこ微笑んでいる。   (…………力の加減を誤った)   (…………お館様のお屋敷だってことを忘れてたぜェ)   冷汗を流す楓と実弥。 ともあれ、楓は柄から手を放し、実弥は納刀する。 だが、柱たちの責める視線が痛い。 そして俺と不死川さんは顔を見合わせて 「……やっちまった」 と同調していた。
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