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「おい、起きろ!起きろよ!」
と隠の人が炭治郎に言う。
そして炭治郎が目を覚ます。
今、炭治郎は柱合裁判にかけられている。
理由としては鬼殺隊でありながら鬼を連れているという、隊律違反を起こしているということになっている。
当然だが柱達からの反応は厳しいもので、
「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」
「ならばオレが派手に頸を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ」
この場で処刑を主張するのは、炎柱・煉獄杏寿郎、音柱・宇髄天元。
「しかし、柱が3人も隊律違反をするとはな。大体、拘束もしてない様にオレは頭痛がしてくるんだが、そんな柱二人はどう処分するどう責任を取らせるどんな目に合わせてやろうか」
蛇柱・伊黒小芭内が木の枝の上に寝転びながら、ネチネチと毒を吐く。
そして岩柱・悲鳴嶼行冥も処刑に賛成している。
「大人しくついて着てくれましたし、処罰は後で考えましょう。それよりも私は、坊やの方から話を聞きたいですよ」
蟲柱・胡蝶しのぶがそう呟き、取り敢えず話を聞く姿勢だ。
炭治郎は、うつ伏せで倒れながら言葉を発しようとするが、口の中が乾いて言葉が詰まってしまう。
「水を飲んだ方がいいですね」
と鎮痛剤入りの水を炭治郎に飲ませた。
「オレの妹は鬼になりました。でも、人は喰ったことは無いんです!今までも、これからも、人を傷つけることは絶対にしません!」
炭治郎は強く意見する。
しかし、
「くだらない妄言を吐き散らすな。そもそも身内なら庇って当たり前、言うこと全て信用できない、オレは信用しない」
「あああ……鬼に取り憑かれているのだ。早くこの哀れな子供を殺して解き放ってあげよう」
だが、伊黒、悲鳴嶼は否定の意思だ。
「聞いて下さい!禰豆子が鬼になったのは二年以上前のことで、その間、禰豆子は人を喰ったりしていない!」
「話が地味に回ってるぞアホが、人を喰ってないことを、これからも喰わないこと。口先ではなく、ド派手に証明して見せろ」
宇髄がそう呟き、恋柱・甘露寺蜜璃は『お館様の意見を聞いてから』と主張し、霞柱・時透無一郎は無関心だ。
反論を述べるにしても、俺こと龍柱・星龍誠、桜柱・栗花落奏多、水柱・冨岡義勇。
彼ら言葉では、強要力は無しに等しいだろう。
彼らは、柱の任に就いているのに隊律違反を犯したのだから。
「妹はオレと一緒に戦えます!鬼殺隊として人を守る為に戦えるんです!だから――」
「オイオイ、何だか面白いことになってやがるなァ」
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