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寮の入り口まで送ってくれたルカさんと別れて部屋に戻った私は、大きく息を吐いて、ベッドにごろんと転がった。
スマホを取り出して、まずはルカさんにお詫びとお礼を送った。直ぐにルカさんから、
『代わりに今度化粧させてね、で、そのまま雑貨屋さんね。』
と返事が来た。
『願ったり、叶ったりです!』
と返すと、星を見つめるキラキラおめめの王子様のスタンプが来た。私がルカさんに似てると言って、プレゼントしたものだ。
うふふ、と声に出して笑うと、気分も少し軽やかになった。
「よし。」
気合いを入れて、光汰のメッセージに返信することにした。
『響、今どこ?』
『大丈夫?』
『ちゃんと説明できなくてごめん。後で連絡するから。』
1分おきのメッセージ。その数分で色々考えてくれたのだろう。そして、ルカさんに連絡してくれたのだと思うと、胸が甘く疼いた。
『私もごめん。』
『うん、説明して。』
と返信した。スマホを枕元に置いて、少し瞼を閉じた。
ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ
スマホの振動で目を開ける。少しスッキリしたきがするから、眠っていたのだろうか。スマホを見ると光汰からの着信だった。
「もしもし。」
「響、さっきはごめん。」
「ううん。」
「玄関に出てこれる?」
「え?」
「今、寮の前にいる。」
時間を確認するともうすぐ11時。
返信したのが10時50分ごろだったから、やはり返信してから少し寝ていたようだ。気分はスッキリしたが、頭が回らない。
とりあえず、スマホとバッグを持って部屋を出た。
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