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「おはよう!」
ロッカールームで着替えていると、陽色が元気に入ってきた。
「おはよう。昨日は...」
ごめんね、と続けようとしたら、
「いいって、いいって。朝からそれだけ明るい笑顔ってことは、仲直りできたんでしょ?あ、仲直り以上よね。むふふ。」
と言ってニヤリと笑われた。雫なら「お陰様で~。」とか言ってサラッと楽しい会話にできるんだろうけど、まだまだ恋愛初心者の私は、昨日の夜のことを思い出して顔が一気に熱くなってしまった。そして、慌てて話題を反らした。
「陽色も今日は早番?」
「今日はフルだよ。きょうちゃんは早番なんだ?昨日フルだったんだよね?じゃぁ、今日は二人でイブの夜を過ごすのね~。あ、雫ちゃんがいるか。」
いや、雫はいないんだけど黙っておこう。陽色はきっと我が事のように喜んでくれるだろうから。大声で。私は曖昧に笑ってごまかした。
その時、ロッカールームの外から私を呼ぶ声が聞こえた。
「響~!」
私は、「ダンナがお呼びだよ。」とにやける陽色を軽く睨んでから、ロッカールームを出た。
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