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エピローグ
「あ、ルカさん達とBBQ行ったときのフォトブックじゃん、コレ。」
午前中の柔らかい陽射しが注ぐ、段ボールだらけの私の部屋で雫が言った。
「そうそう。楽しかったね~。」
「春吉さんと結花ちゃん、付き合ってるんでしょ?」
「そうそう、びっくりよね。でも、二人の波長がピッタリで、見てると笑いが止まらないよ。」
「夫婦漫才みたいだもんね、あの二人の会話。
ルカさんとスバルさんは?元気?」
「うん。同じマンションに住み始めてから、基本的に食事は一緒にしてるんだって。」
「隣同士の部屋なんだよね?ルカさん、料理上手だもんね。こないだ、デートの前日にルカさんにところに泊まったじゃん?
夜ファイシャルマッサージして、朝、デート用メイクしてもらった時。あの夜、光汰が『ルカさんが血迷ったらどうしよう。』ってずっとソワソワしてたよ。もうデートは予告無しにするってさ。」
「血迷うって失礼なっ!」
「だって、容姿端麗なスバルさんに勝てると思う?」
「思わない。」
「じゃ、『血迷う』で合ってるじゃん。
よし、あとこの荷物だけかな?」
「ほんとにありがと、雫。」
「何言ってるの。お互い様でしょ~。私の引っ越しも手伝ってくれたじゃん。」
「そんなの当然じゃん!」
「だよね。私は追い出されたんだしね。」
「雫!そうじゃないじゃんっ!」
と私がムキになって言うと、雫が冗談だよと大笑いした。
大学の卒業と就職を機に、雫は一人暮らしを、私は光汰と同棲を始めることになった。
雫はマレくんと順調に続いていて、
「光汰がいるとマレを連れ込めないから、一人暮らしすることにする!じゃないとデートにお金がかかっちゃう。」
と、雫の家で4人で晩ご飯を食べている時に、突然堂々と雫が宣言して、私達は面食らった。
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