エピローグ

2/3
前へ
/268ページ
次へ
「お?」  最後の箱を閉めているときに、雫は、私の指輪を見て言った。 「いよいよ決心したんだ?」 「うん。チャラ男だったとは思えないくらいにワルさは全然してないし、両親にも挨拶に行ってくれたしね。ねぇ、知ってる?光汰のご家族は特に素敵でさ~。お母さんも、妹さんも良い人なのよ~!」 「知ってる~。妹さんって、綺麗で天真爛漫なんだよね~。」 「そうそう。」 「お名前なんておっしゃるんだっけ?」 「雫って言うの~!」 と内輪ウケなネタで盛り上がった。 「まんまと私の策略にはまったわね~。初めからこうなると思ってたのよね!」  雫は酔うと必ず『初めて会った時から、光汰は響なら上手くいくと思ったのよね~』と言う。だから、今日は殊更ご満悦だ。 「あ!光汰が気づくまで言わないでね!」 と私が焦って言うと、ムフフと雫が揶揄う様に言った。
/268ページ

最初のコメントを投稿しよう!

124人が本棚に入れています
本棚に追加