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「私さ」
と雫が声を潜めて言った。
「ミサキさん、ちょっと怖い。」
「しずくでもそんなのあるの?でも、分かる。ちょっと近づき難いよね。なんだろうね。ぽんたといつから付き合ってるの?」
「大学入ってからだよ。入学してすぐかな?ミサキさんから付き合ってって言われて、光汰も『いーよ』みたいな。」
「そんな軽いノリで?」
「光汰も丁度彼女いなくって。前の彼女が別れるとき、結構強烈だったらしくてさ。『女こえ~っ』ってずっと言ってたから、多分好きな人もいなかったんだよね。でも、人恋しくなってきてたらしくてさ。丁度いっか、みたいな?」
「すぐに彼氏彼女ができる人って、そんな感じなんだね。羨ましい。」
「響だって、彼氏がいたことはあるんでしょ?」
「彼氏って言ったって、中学生だったからね。両想いに毛が生えたようなもんだよ。大人の恋愛がしたい~。」
「響が言うとやらしく聞こえるからやめて。」
と雫がけらけら笑った。私が言うとってどういう意味かしら?と考えていると、雫が続けて言った。
「だったら、ゲイばっかり狙い定めて好きになってちゃダメだね。」
「定めてないから。好きになった人がゲイだったっていうパターンだから。しかも、憧れだから痛手は少ない。」
「じゃ、出会いを求めて合コンでもしますか?」
「それは嫌なんだよね~。下心あるある軍団の集まりみたいで。そこにいい出会いがあるとはどうしても思えなくって。」
「あははは!自分もその一人になるわけだし?」
「そうそう!」
「じゃ、取り合えず飲みに行こうよ。」
「いいね~!」
私達はスマホを手にスケジュールを確認し合った。
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