第5話 古都の朝のピロトーク

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第5話 古都の朝のピロトーク

「こう言う状況は、男と女の関係と言えるのかな?」 「確かに第三者から見れば、裸の男女が一つのベットで抱き合ってるんだから、そう言う関係と認識できる状況よね。」 「でも、恵はそうは思えないでしょ!」 「うん、何となく子供を寝かしつけてる気分だわ。」 僕と恵は、叔父のマンションを出てから、本来綾佳と恵が泊まるはずのホテルで一夜を過ごしていた。ツイーンの部屋のそれぞれのベットで寝ていた恵は、朝方になって僕のベットにやって来てから、徐に僕の服を脱がしてから、自分も脱ぐと、互いの肌が触れ合う様に、僕に抱きついてきた。最初、背中の恵みの胸の大きさに戸惑っていた僕に、 「こっち向いて。」と言ってから僕の顔を彼女の胸に埋めてくれた。僕は何だかその温かさと、気持よさで浅い眠りにつきかけていた。ふと気が付くと、恵の手が僕の股間に在ったので、 「ああ、ゴメン全然だめでしょう。」と言うと 「うん、反応無しね。」 「数年前に、ED専門の医者にも行ってみたんだけど、肉体的には、何の問題もないらしいが、精神的な何かが引っかかっているのだろうとの結論で、いかんせんそうなると、その医者の分野じゃなくて、しゃじを投げられちゃって、折角恥ずかしい思いして医者に行ったのに・・・」僕の言い訳とも、自虐ネタとも付かない説明の続きの後で 「頭の中ではケリは付いているんだけど、体が拒絶しているみたいだ。でもそれは言い訳かな?」と言うと 「いいよ焦らなくても、少しずつ薫の心の氷を溶かしてあげるから。」と言って、深いキスをしてきた。 そんな何とも言えない、ピロトークをしながら、夜が明けるまでの時間を過ごし、何処かの寺の鐘の音を聞いてから、窓のカーテンを開けた。東の山並みから薄っすらと明かりがさし、やがて朝焼けになり始めた頃 「綾佳さんて、酔ってしまうと何時もあんな状態?」 「まあー、あそこまで酔ってしまうと・・・」 「最初、薫が何をしだすかと思ってハラハラしちゃったわ。オムツまでさせてるから。」 「ああ、あれね。さすがに叔父の所には、大人用のオムツは準備してないから、応急処置って所かな。時々失禁しちゃうみたいで。」 「ええー。」 「本当は失禁じゃないみたいなんだけど。」 「何それ?」 「あそこまで酔ってる状態って言うのは、本人は恍惚状態・・・つまりいっちゃってるみたいで、女の人の絶頂状態がどんな感じかしらないけど・・・」 「ええーて、それは潮吹きって事!」 「最初は、知らなくてそのままにしていたら、ベットのマットまで濡れちゃって、酔っぱらって粗相をしたのかと思っていたんだが。どうも体中の分泌物の制御が利かなくなるようで、よだれも結構すごい。」 「それと・・・」恵は小声になって、 「あそこの毛が無かったんで、脱毛でもしてるの。とっても綺麗だったから、私まじまじと見てしまったわ。」 「ははは、確かに旦那は嬉しがっているみたいだけど。どうも東堂の家系は、元々生えないみたいなんだ。」 「へえー、そんな家系が本当にあるんだ。それに、あんな状態になってしまったら、男の好き放題にされちゃいそうだけど。薫だから良いようなもの。」 「それは、本人も自覚していると思うな。でも、多分出来ないと思う、見ていたから分かるだろうけど、横向きにするのでさえできない状態だからね。」 「豆腐に針を刺す様な・・・」と顔を赤らめて恵はいった。 「薫もやっぱり、おっぱいが好き?さっきから触っているから!」 「ああゴメン、男は皆好きなんじゃないか。さっき恵の胸に抱かれた時にとっても気持ちが良かったから。」と言った後に、遠慮しがちに 「しゃぶってもいい?」 「いいけど、何だかそうあからさまに言われると恥ずかしいわね、それと私も感じて来ちゃうから、責任とれるの?」 「ふーん、指でよければ、気持よくさせてあげられるかもしれない。」そう言いながら、恵の胸に顔を埋めてから股間に手の伸ばした。乳首への愛撫と、指による愛撫とで恵は、直ぐに反応し、小さな声を出し始めていた。そんな声を聴きながら僕は、 「こんな時って、女の人は皆同じような声を出すんだな。」と思っていた。  ホテルへの密会事件以来、栞は重症病棟の個室で過ごしていた。僕はせめてもの罪滅ぼしの様に、栞に出来る限りの世話をしてやった。本来は看護師がする様な体を拭いたり、オムツの世話もした。栞も嫌がらずにその世話を受け入れてくれていた。寝たきりの栞に、図書コーナーから借りてきた本を読んだり、食事は、ほとんどが流動食だったので、スプーンで口元まで運び食べさせた。そんな介護が一か月程続いた後、安静時間で自分の部屋に戻ろうとする僕に、小さな声で、「今晩来て」といった。それは、その晩の当直の看護師が、何時も僕らを多めに見てくれている人物である事からであった。消灯までの小一時間は、自室でラジオを聞いたり、談話室でテレビを見たりして過ごす患者が多く、看護師達も自分たちの談話時間に当てていた。僕が栞の所に行くと、「お願い、あそこが痒いの、だからもう一度拭いて頂だい。」と言ってきたので「それなら、看護師を呼ぼうか?」と言ったら「そうじゃないわ、薫にあそこを触って貰いたいの。でも、体を拭く真似をしておいてね。」そう言ってから、消毒用ティシュを持った僕の手を自分の股間に持って行った。「そこの部分をゆっくり撫でて。」と言ってから、僕が撫でると、何かクリッとした感触が有ったが、「下手ね、もっと優しく。」そう言って再び行為を継続させた。その時点になって、僕は、栞は僕の指で自慰行為をしている事に気が付いた。「こんな興奮する様な事したら、また喀血するぞ。」小声で言うと「優しくしてくれれば平気。自分じゃ感じなくなっちゃったのよ。」そんな事が切っ掛けで、僕は時々、栞の自慰行為を手伝わされていた。あまり興奮させずに、栞が満足できる程度の指使いを。 30分ほど、恵への愛撫を続けると、「ああー」と声を出した途端に、恵の体から全ての力が抜けてグッタリしていた。僕は背中越しに恵みを抱き直してから、髪の毛を撫でていた。 「薫・・・こんなテクニック何処で覚えたの! 何年かぶりで、男に生かされたわ、しかも指で。」と言って、こちらに向き直り、 「薫って本当はすごくエロい! ああ、早く心の氷を溶かして、此処も元気にしてあげたい。」そう言った恵の顔を、僕は抱き抱えながら 「ああ、期待してるから・・・」 その時、今まさに東の山並みから顔をのぞかせようとしている太陽の光が眩しく差し込んできていた。
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