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その晩、私は実家の母に電話をした。
「もしもし、母さん?美晴だけど。」
「美晴、電話なんて珍しいね。いつもはメールで済ますのに。調子はどう?」
「うん、まあ、何をするにも大きいお腹は邪魔だけどね。」
「それも、後1ヶ月だね。で、改まって電話なんてどうしたの?」
「実は聞きたいことあって…」
私は今日、デパートで思い出したことを話した。
「それって、父さんだよね?」
母が知らないと言えば、もう聞く人がいない。父は一昨年、胃癌で亡くなったのだ。
すると、母は意外なことを言ったのだ。
「それ、父さんじゃないわよ。美晴のおばあちゃんよ。」
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