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プロローグ
「春は、出会いの季節」
この言葉を作った人間が、私は嫌いだ。
たしかに私も、初めてこの言葉を聞いたときは希望を持っていた。
しかし、何度目かの春で気づいてしまった。
「この言葉を作った人と私は、全く違う人生を歩むのだ」と。
それから私は、生きる意味を失った。
ただただ通り過ぎていく日々に、親は「友達を作らないのか」と口癖のように言われ、うるさくなり、中学受験をして偏差値40代の余裕な寮制の学校に入学し、早々と我が家に別れを告げた。
もう、私は一人だ。喜びさえも感じた。
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