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少女
少女の名前はメイという。小学五年生で、彼女が自殺する人間を予見できる者である。
毎日誰かが死んでいる、それを飾り送るのが葬儀屋の仕事である。自殺を予見できる、頭の中で映像として投影できる少女はとある葬儀屋にいる。自殺者の映像が頭に宿るとき少女はよだれを少し垂れ、「ひっひっひっ」と声を少し漏らす。葬儀屋はこの少女を使って、自殺する家を予見させて「もうすぐお亡くなりになりますよ」と言って葬儀の見積もりをして儲けている。自殺者三万人の日本だからほぼ毎日仕事が途切れることはない。
この少女にお小遣いとして10万円、月に渡している。少女は飢えていた自分の能力を本気で求めて来るものに。
この能力に気づいたのはメイが小学二年生のときであった。最初は目の前の小鳥や鼠が目の前で死ぬなっ!!と思ったとき、死んだ。そこから人間の死に波長を合わせると死ぬ映像が浮かんでくるようになった。
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