asahi

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ーーその時、僕はまだ12歳だった。 「あさひーもう寝る時間よ」 午後10時。お母さんが2階の寝室から僕を呼んでいる。僕はいつまでもリビングでまごまごして、階段に近づいてはまた離れてを繰り返していた。 「しゅかちゃん、何してるかなぁ……?」 とてつもない心細さに、お向かいの一軒家に住む、福本しゅかちゃんを思い浮かべた。しゅかちゃんは同い年で、同じ小学校に通っていて、クラスも同じだ。 お母さん曰く、僕としゅかちゃん、それともう1人こうきくんという子がいるのだが、僕達3人は幼なじみってやつなのだそう。 窓の側に近づくと、分厚いカーテンとレースのカーテン、両方を掴んでそっとお向かいを見た。 「…………?」 しゅかちゃんちのカーテンは開いている。だけど家の中は真っ暗で、月の光がうっすらと中を照らしている。 その中に、人影が見えた。ひとつ瞬きをして、よく目を凝らしてみる。 「……しゅ、しゅかちゃん?」 僕の目に映るのは、しゅかちゃんの胸ぐらを掴む大きな人影。 「ど、どうしよう」 僕があわあわしていると、その人影がしゅかちゃんを殴った。 「ーーー!」
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