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「おえ」
結局、責任を取る形で付き合わされることになった。別に律の事は嫌いじゃないけど、特別好きでもない。乳を揉んだ時だって、やらけえ、位の感想しか持てなかった。
その時、なんとなく律の顔が女の顔になってる気がしたけど、それにときめくようなこともなく。
「はあ」
なんもかんもかったるすぎる。まだ午前中だと言うのに、俺の足取りはとてつもなく重い。
「……お」
廊下を向こうから歩いてくる座敷童子ーーもとい、幼なじみを発見した。
「よ、座敷童子」
「こうき、どしたの」
座敷童子ーーではなく、幼なじみの朱嘉の手が伸びてくる。
「ここ、赤いよ」
そう言ってさっき律に引っぱたかれた頬を人差し指で突く。
「ビンタされた」
「冷やした方がいいよ」
誰にとか何でとか聞いてこないのはこいつの平常運転。分かってると一言返事するとコクリと頷いて去っていった。
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