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 掃除屋は逮捕されないまま、一週間の間を持ち学校は再開された。今だ何も決まらないまま、それでも足は屋上へと向かう。  幸か不幸か、放課後掃除はしばらくの間短縮だそうだ。  躊躇いがちな足で屋上に踏みいると、いつも通り彼はいた。イヤホンを目に想像が過る。 「青、久々。元気してた?」 「う、うん!」  構える前に問われ、反射的に返答する。だが、上手く繕えなかったのか、月は僅かに首を傾げた。 「あんま元気そうじゃないな。事件のこと怖いとか?」  黙り込んでしまう。真偽を確認したいが、刺のない問い方は見付からない。悩んでいると、無言の理由を誤解してか、月は苦笑した。 「大丈夫だって、掃除屋は悪い奴しか狙わないから。それに良かったじゃん、酷いことした人間が消えて」  加えて、悪意はないであろう発言に、更に声を失う。何とか表面上の相槌を打ったが、心は付いていかなかった。  寧ろ、彼に対して恐怖を覚えている。また一歩、可能性を大きくした彼に。
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