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「いつもは、俺か女子中学生の子たちがメインだもんね」
「そうそう、中学生の子らは慣れてるから進捗も分かり易いけどこっちは慣れてないから誰がどこまでできるのやら、分かんなかった。それはそうと、彼女は大丈夫だった?」真由の汗の香りがする。
薄っすらとした桃の様な香とパンを焼いた香が混ざったような優しい香だった。
「分かんないね。相当参っていたけど。あれで良かったのかなってちょっと思ってる」
「わたしも急な事だったから事情があまり飲み込めてなかったけど、どうして相談なんか受けることになったの?」
「放課後ね忘れもの取りに行ったら、教室で一人で泣いてたんだ。本当は声をかけずにそのまま立ち去ろうと思ったんだけど、ちょっと尋常じゃない雰囲気があってどうしたの?って声をかけた」
「ふーん、それだけ?」
「それだけとは?」
「言葉通りよ、それだけの気持ちで声をかけたの?ちょっとでも気があって声をかけたのかなって」
「真由さぁ、いい加減俺の事信用してよぉ。俺そんな気全くないから」
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