いじめられっ子の僕ですが、彼女が欲しいし、したいのです(後編)

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 練習が終わると、高岸先生から拳から目をそらすな、相手が突いて来たとき目をつむるなと言われた。意識はしていなかったが今度からそれを意識していこう。  帰りは真由と一緒に帰る。真由の顔を見るとホッとする。女の子独特のふんわりと甘い桃のような汗のにおいがする。高岸先生も真由も同じ人間なのにどうしてこうも違うのか不思議で仕方がない。僕は歩きながら真由の横顔をじぃーっと見た。 「ん?どうしたの?何かついてる?」真由がこちらを向いて言う。あたりを見回す。町の街灯は僕たちしか照らしてはいない。そっとキスをした。 「なーに?」笑いながら真由が聞いてくる。愛おしくってたまらない。 「ちょっとだけ、ごめん」そういってきゅっと抱きしめた。シャンプーと塩っぽい汗の匂いと桃のような体臭が合わさった香りがする。真由の香り。僕はちゃんとこの人を守らなければならない。 「大好き」そう耳元で言ってから離れ際にもう一度軽くキスをする。 「なになになに?どうしたの急に?」真由はまんざらでもないような表情で聞いてきた。 「今、めっちゃ好きっていう気持ちが高まり過ぎてね」笑いながら言う。
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