いじめられっ子の僕ですが、彼女が欲しいし、したいのです(後編)

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 駅には生徒で溢れかえっていた。後方車両側に鈴木と南の姿が見えた。その先には琴音と高瀬がいる。それを確認してから、いつものように先頭車両に乗り、見知った顔がいないか辺りを見回す。誰もいない事を確認してから真由にLINEを入れた。 「こっちは今終わったよー」最大限に警戒する。うん、今日は何もなさそうだ。最寄り駅近くになると真由からLINEが入る。 駅を降りて帰り道一人になるまで待つ。よし、誰もいない。運気が上がっているのかもしれない。夏だから。 「こっちも今終わったよ。いつでも来てね。シャワー浴びて待ってるから。でも、勉強道具も持ってきてね」早く会いたかった。家に帰るとすぐにシャワーを浴びる。用意されていたお昼ご飯を食べて入念に歯を磨いてから、真由の家に行く。歩いて数分なのにもう汗だくになる。  真由の部屋はクーラーが効いてて涼しかった。相変わらずふんわりとバニラのような甘い香りがする。 「早かったねー、わたし今シャワー浴びたところなのに」真由は半袖で短パンという露出の多いアラレもない格好だった。夏の部屋着だろうか。絶対外には出したくない格好だ。
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