いじめられっ子の僕ですが、彼女が欲しいし、したいのです(後編)

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 僕は滑り台の方へ視線を変える。川中の立場に立ったら、例え相談した相手であっても男には見られたくはないだろう。もうこれは犯罪だ。警察に相談するしかない。喧嘩して止められる相手でもない。おそらく僕ではかなわないだろう。  例え勝ったとしても後に恨みを買ってどんなことをされるか分かったものではない。あのバカを止めるのは法律しかない。優しくしたり弱さを見せるととことんまで調子に乗る。 「どうするの?涼?」真由が聞いてくる。目が潤んでいる。相当ひどいのがアップされているのか、川中の気持ちを汲んでいるのか。 「川中さ、これを親に話して警察に相談してみてはどう?」 「そんなことしたら、もっと拡散されるかも。相談したあとにもっとひどいことされるかも」 「拡散されない様に相談するんだよ。今も十分ひどい目に会ってるんだろう?」 川中は不安でいっぱいの顔をしている。   「たぶんロックかかっているから、今からこのアカウント見ようとしても見れないと思う。だから、親や警察に話すなら俺もついて行ってあげるから」まだ迷っている川中の背中をそっと押せたらと思った。
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