いじめられっ子の僕ですが、彼女が欲しいし、したいのです(後編)

1/59
前へ
/153ページ
次へ
 前編からの続き…  僕がされていた事とは異なるが、人としての尊厳を大きく傷つけられている事は確かだ。僕はまだ男だから、まだましかもしれないが、川中由紀は女の子だ。そんな動画が流れてしまったら取り返しがつかない。  それこそ永久にネット上に残ってしまう。恐ろしくなってきた。鈴木は頭がおかしいから余計に不安になる。その不安を利用し川中由紀を良いように扱っている。しかも未だに続いているとは。  彼女はずっと我慢していたんだ。僕と同じで独りで闘っていた。誰にも言えない。知られたく無い。鈴木と出会ったがために彼女も僕と同じ生け簀側に放り込まれたのだ。唯一同じ立場に立っている僕にしか相談できなかったのかもしれない。  そこには葛藤もあっただろう。僕は男だ。川中由紀は好みではないが、裸だったりセックスをしている動画が普通に見れるなら見たいというのが本音だ。それを理解しながら相談できるだろうか?そう簡単にできないだろう。  しかも相談したからと言って解決にも向うかどうかも分からない。ただ、僕という「山本涼」に川中由紀の痴態が知られるだけ、になるかも知れない。彼女は悩みに悩み髪の毛が頬にへばりつくほど泣き、やっとの思いで相談してくれたんだ。とりあえず、さっきまで鈴木とヤッていたということは近くに鈴木がいる可能性が高い。それは僕としては警戒すべきことだ。まずは鈴木にバレずに学校から離れなければ。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加