大正乙女ロード

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今、 駆け落ち、 って言った? か、駆け落ち・・・!? 私は思わず目を見開いた。 「雪彦さん、あのっ、 本気で、」 「本気です。 僕はそのくらい、 とわ子さんが好きです。」 私には関係ないと 思ってた、 “駆け落ち”だなんて言葉。 それが今、急に 目の前に飛び出てきて、 心臓が、うるさい。 色々なことが いきなり降り掛かって、 ねぇ、待って、私 どうしたらいいの・・・!? そんないきなりっ・・・! 「雪彦さんっ、そんな、」 「お返事は、 明日ください。 ここで、待ってます。」 雪彦さんはこれだけ いうと、 さっと踵を返して 行ってしまった。 私はと言うと、 ヘナヘナとその場に 座り込む。 そして、口元を 手で抑えた。 うそ、 嘘でしょう・・・・!? 雪彦さん、 縁談をお受けに なられるの・・・!? いや、そんなことより、 駆け落ちって・・・・!!! 駆け落ちだなんてそんな、 大それたことを、 私と雪彦さん、が? まって、頭の中が 追い付かない、 整理できない・・・!!! ・・・・雪彦さん、 愛してるって 言ってくれたのに。 私のこと、好きって 言ってくれたのに。 嬉しいのに、 どうして、 こんなことに なってしまってるの? わたし、 私っ、 雪彦さんのことが好き、 他の人と結婚なんて してほしくない。 ねぇ、ひどい。 いくら私が、 縁談で見ず知らずの 人のところへなんて お嫁にいかないって 言ったって、 好きな人が縁談で 他の方のところへ 行ってしまったら 意味が無いじゃない・・・!
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