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思わず言葉が出た。
「俺たち、なにと闘ってるんですかね……」
「……お前、もう天幕戻って休め」
気に障ったのかと思い横顔を盗み見るが、疲労しか見て取れない。
「では失礼します」
ゆっくりと姿勢を下げて重心を落とし、左手と両膝を使って穴から這い出る。穴から出てもしばらくは同じ姿勢でその場から離れ、木立に紛れてから姿勢を起こす。
数日前からずっと雨が降っている。そのせいで雨衣を着ていても下着までずぶ濡れになっているし、靴の中にも雨水がたまって皮がふやけて痛みすら感じる。
(天幕に戻ったらストーブに当たりながら飯にしよう。着替えたところでまた濡れるし)
そう心に決めた。
宿営地に戻ると――
「なんだこれ」
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