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上官だった肉塊を放り捨て、こちらに飛びかかるために重心を下げるそれを見ながら安全装置もかけずに銃を地面に捨てた。
疲労のあまり、理不尽のあまり、何もかもがどうでも良くなった。
「やってられね~」
ソレは巨体に似合わない非常識な速度で迫ってきて、
――ゴッ
非常識な角度で軌道を変えた……真横に。
「おい、お前」呼ばれて視界を左に振る。
真っ黒な鎧に身を包んだもう一つの理不尽がそれを足蹴にして立っていた。
「勝手に諦めるんじゃねーよ」
青紫色に輝く瞳が、こちらを見据えていた。
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