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side:比呂
びっくりした。まさか、普通に名前で呼びあってるのに、「友達なの?」なんて聞かれるとは思ってもみなかった。いや、友達でしょ!?どんな生き方してきたんだよって思わず深く根掘り葉掘り聞きそうになったけど、きっと青はまだ俺にそこまで心許してないし、青が言いたくないなら聞かない。
ただ、俺のことは知って欲しいから話すよ、クズなところも家柄とかも、なんでも話すよ。それで青が俺の事を少しでも友達だって実感してくれたら、それだけでいいから。
「比呂はさ、私にあれこれ聞いてこないよね。勉強以外は。」
「そりゃ、聞きたいことは山ほどあるけど。青が話してもいいやってなるまで聞かないよ。」
「……気にならないの?なんでこんな、なんていうか、自分で言うのもあれなんだけど、冷たいヤツなのかなとか。」
「青が冷たいって思ったことは無いよ!?冷静だなとはいつも思うけど!!」
「あ、そうなんだ……」
「返り血浴びて顔色ひとつ変えてないのはさすがに、心どこに行った!?って心配なったけど。」
「心かぁ。どこにあるんだろうね。」
「あるはずだよ、きっと。俺わかるもん、青は優しいんだ!」
「優しい……?」
「優しい!だってさ、青。俺の事、なんっの躊躇いもなく、受け入れてくれたじゃん!」
ハニートラップアルバイトとか。風俗の集金のお使いとか。今までは、それ聞いたら引くか俺とやりたいって言うかどっちかしかなかったもん。
青だけなんだよ、ふーん、って感じでそれが俺の当たり前の世界みたいに、受け入れてくれたの。青だけなんだよ。
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