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side:青
入学して1週間。気付いたら周りから「キング」と呼ばれるようになっていた。正直どうでもいい。誰も私の名前は呼ばない。それが当たり前だったんだし、キングと呼ばれようが恐れられようが知ったこっちゃない。
だけど。
「青ー!!!おはよ!!!今日の小テスト絶対0点だから教えてー!!!俺死んじゃう!!!」
比呂だけは、周りと違った。周りも比呂を変な目で見ていた。なんでキングと対等に話せてるんだとか、怖くないのかとか、色んな事言われてるのに、私の名前を呼んで、「友達」のように話しかけてくる。友達なのだろうけど、今までそんな人いなかったから分からない。
「青?」
「……私たちって、友達なの?」
「え?え!?待って!?俺は友達になれたと思ってたんだけど!?」
「え、あ、そうだったんだ。私友達いた事ないからよく分かんなくて。」
「どうやったら友達いないで15年生きて来れたの!?俺寂しくて無理!!」
「どうって……まあ……色々……」
友達いなくても生きてこれたんだよ、きっと比呂みたいに明るくてみんなに好かれそうな人には分からない感覚なんだろうけど。嫌味とかじゃなく。純粋に、住む世界が違ってたんだ。
だって、私、物心ついた頃にはもう虐待されてたし、幼ながらに支え合ってた妹は親に殺されたし、養子として今の家に引き取られたけど、ネグレクトされてるから、人間自体信用してないというか。なんというか。
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