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注釈2
さて、少年の告白をお楽しみいただいているところ申し訳ないのですが、筆者でございます。
この記録について少し説明が必要なので補足させていただきましょう。
今から記すこの手紙は、少年の本心が書かれているのかは計りかねます。この手紙の日付と同じ日付の少年の日記を読んでみると、この手紙が戯れで書かれていることがすぐにわかるからです。
簡潔に説明するとこう言うことです。彼が彼女にからかわれてラブレターを無理やり書かせられた。
それも彼女が、彼がラブレターを書くならどんなことを書くかなどと言う興味だけで。
彼女は、時たま残酷なことを考えるものだなと普通の人たちならば思うことでしょう。
それでもからかわれながらも書いたのは、少なからず恋情があったからかもしれませんが、真相は彼のみぞ知るところです。
実際同日の日記には「内容は控えたいが、とにかく恥ずかしかった。なんであんなことを平然と提案して、平然と受け取って、平然と読んで、それでいて平然としていられるのだろう。本当に酷いや、人星さんは」としか書かれていません。
ところで件の手紙ですが、それは少年の日記を拾った別の場所に埋まっていました。家は崩れ去り、瓦礫の山とかしていたその場所で、ほとんど無傷で残っていたのは流石に出来過ぎではないかと見つけた時に疑いましたが、よくよく調べるとそれは小さくて頑丈で、それでいて可愛らしい箱に大切に大切にしまわれていて、それを知った時には、「なるほどな」と納得せざるおえませんでした。
それほどきっと、この手紙は彼女にとって大切なものだったのでしょう。
その真意を知るのもまた、彼女のみなのですが。
さて、補足もこの辺にして、そろそろ失礼させてもらいましょう。そして、「自分から自分」への対話を試みる日記から「自分から他の誰かへ」対話を試みる手紙と、少年の等身大の心を、どうぞご覧ください。
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