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約300年前その呪いを産み出したアスモデウスを12番目の預言者が滅ぼした事により、徐々にその数が減り続けている為だ。
その貴重な『生贄の娘』ならば300年前と同じように自身の力を最大限にまで引き出し、人々を混乱と憎しみに満ちた世界に引きずりこみ、更に多くの力を得ることが出来る...そうアンドラスは思ったのだ。
そして300年前に大きな力をもって封じられたあの憎い賢者マテウスの一族全員血祭りに上げる為にだ。
日が明ける直前...そこに大きな港街が見えて来る...ベルガモだ...
ただ周囲には強力な結界が張り巡らされており、侵入が出来ない。
『小癪な!』
アンドラスは苛立つ、街の周囲を旋回しながら結界の穴を探し出そうとしていた。
──
『もう...そろそろ限界かしら...』
エステルはそう言って自身が構築した結界を解く...でもシルヴィオが指示した術兵士達の結界のお陰で維持は出来ている。
しかし余談は許さない...アンドラスを倒すその時までは。
エステルはピッピちゃんの姿に戻って屋敷の近くの樹へと止まる。
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