掃除という一生

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 私の一生は掃除だ。  朝から夜まで休む暇なく、エネルギーが切れるまで働き続ける。  フローリングの床からカーペットの上まで。  椅子周りやソファーの下も。  壁際も。  綺麗に念入りに掃除を続ける日々。  そんなに掃除をしなくてもいいのではないかと思う人はいるだろう。  でもそれが、私の生きる意味なのだ。  生まれたその瞬間から、私の中には掃除をするという目的しかない。  私を買ってくれた主人のために働き続ける。  背中にペットが乗って来たとしても関係ない。  給料という概念も、残業という概念も私にはなく。  主人にすら褒められることはないけれど、別にそれを生きがいにしているわけではないから、気になどならない。  私はただの道具として、この身が壊れるまで掃除をし続ける。  何故なら私はお掃除ロボットだから。
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