平和が崩れるとき

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 その元競走馬の前にいたのは、この間やってきたばかりの子豚の3兄弟でした。 「お馬さん、俺たちはここに残って狼と戦う!」 「そうそう。僕にはここに住む権利がある!!」  その言葉を聞いたコンドコソトレルは目を丸々と見開いて言いました。 「馬鹿な真似はやめろ。今までもそう言って奴に挑んで帰ってきた者はいない!」  しかし、眼鏡をかけた子豚兄弟の3男はレンズを光らせながら言います。 「大丈夫です。コンドコソトレルさん…我々には自慢の砦があります」  コンドコソトレルは呆れた様子のまま立ち去りましたが、子豚たちはお互いの絆を確かめ合うように輪になって右手を合わせています。 「悪い狼がどんな卑劣な手段に打って出ても、必ずこの試練を克服してみせるぞ!」 「そうだね、兄さん」 「勝ちましょう…兄さんたち!」  こうして、子豚3兄弟は狼を倒すことを固く誓い合ったのです。
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