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バトル開始!
間もなく狼たちの遠吠えが聞こえてきました。その数も多く5人はいるように感じます。廃材を背負ったまま逃げていた元競走馬は身震いを覚えたようです。
「ああ、遂にきてしまった…オーイ競馬場! 小生をまた置いてくれ。この際雑用でもいいからー」
彼はそう言うと涙目になりながら襲歩で逃げていきました。
コンドコソトレルが立ち去って数十分後。5人の体格の良い狼たちがずらりと勢ぞろいしました。筋骨隆々で頬に傷のあるドーベルマンのような風貌の者。目つきが鋭く、狐のような顔立ちで手に持ったナイフを布で拭いている者。背こそ低いけれど、手足が丸太のように太いブルドックのような男。帽子を深くかぶって、袖を持ちながら「兄貴~」と体をくねらせる者。
最後にサングラスをかけ、葉巻を咥えたリーダーらしき狼が姿を見せました。
「では、始めるとしようか」
「押忍!」
その号令と共に、ブルドックのような狼が低い声で怒鳴ります。
「おい、テメーラぁ! 覚悟はできてんだろうなぁ…たっぷり礼をしてやっから、顔洗って待ってろボケェ!」
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