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映画が終わった。
館内が明るくなり人々が客席から離れていく。一番後列中央部に座る三人は未だ座ったままである。決して余韻に浸っている訳では無い。三人には立てない事情があった。
「まずい。こんな感動するとは.....。」
「ワテも今日は力が無いから......。」
「三人とも今日は正装する力が無い......。」
神様から不正(タダ見)防止の為、気配を消す正装する力を封印された三人の天使。『感情の興奮』という生理的な作用による翼の発生が今三人同時に襲い掛かっていた。
翼をシートに固く押さえつけ興奮が収まるのをひたすら待つ。
「クソッ蛇め!こんな感動作品みせやがって!」
「ま、まさかいきなりこんなオチ来るとは思わへんだし、、。って、おい。ジェイドはん、ナチョス食べたカスがバラバラ落ちてはるで!あっ、コッチにはらわんといて!ああっ!サルサソースがっ!」
「白を着てくる奴が悪いんだよ!な、ジェイド。あんな奴の事気にしなくていいよ。」
「気にしなはれ!ってジェイドはん自分無傷?ってどういう事やねん!ワテの方ばっかり!おいおいおいおい!」
三人は仲良くシートに座り談笑?を続けている。
これはある天使達が作るもう一つの番外編。
また、いつか会いましょう。
END
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