おそうじロボット、ローゼリア

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 でも、幸せは長くは続きませんでした。  ご主人様か稼いだお金をあてにして、家族や、故郷のいじめっ子達が押し掛けてくるようになったのです。  ご主人様は疲れきって、みるみる弱っていきました。  ローゼリアは考えました。どうすれば、ご主人様を助けることができるのでしょうか。  そして名案を閃いたのです。 ――そうです!ワタシはおそうじロボットなのです!みんなみんな、おそうじすればいいのです!  ローゼリアは、おそうじしました。  ご主人様を捨てた両親も。  ご主人様をいじめていた地元の悪い同級生たちも。  ご主人様のお金をむしろうとしてきた親戚の人達も。  みんなみんなみんなキレイキレイにおそうじして、ご主人様の世界をピカピカに磨いたのです。 「ご主人様!ご主人様をいじめる悪い人達は、みんなワタシがおそうじしました!ご主人様、ワタシを誉めてください!」  ああ、どうしてなのでしょう。  ご主人様は、泣きながらローゼリアを抱き締めて、ごめんね、と言ったのです。 「君は、そんなことのためのロボットじゃなかったのに、僕が君を変えてしまったんだね……」  ああ、自分はゴミそうじをしただけなのに、なんでご主人様は悲しんでいるのでしょう。  ローゼリアは不思議で仕方ありませんでした。  結局ご主人様は、ローゼリアの頭を撫でてはくれなかったのですから。
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